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心の発達と反抗期について

ヘルスウェイジャパニーズメディカルセンター 吉国泰代医師

私自身、プレ思春期のわが子との関係を振り返ってみると、生活態度をめぐって言い合いがあったり、反抗的な態度が目に余ると感じたことがあります。
 反抗期には2-3歳頃の第1次反抗期と小学生高学年から思春期にかけての第2次反抗期があります。興味深いことに、欧米ではプレ思春期以降の第2反抗期という概念はあまりないようで、「思春期特有の問題の一つ」という位置づけのようです。
 今回は、プレ思春期の子育中のご両親へ、「親の態度10か条」をご紹介します。

親の態度10か条

その1.関心を向ける。

 子供に声をかけることを怠ってはいけません。「あなたを見守っているよ」という態度を示しましょう。「今日は学校で何をしたの?」と、早速子供に声をかけてみましょう。

その2.学校活動に関わってみる。

 「子供の様子が分からない」という不安があれば、学校参観日、PTA活動などに積極的に関わってみましょう。子供の新たな一面を発見できます。子供を通した人や学校とのつながりは自分自身にも子供にもプラスになります。

その3.ほめて伸ばす。

 学校の成績、塾のテスト順位など、十分期待に応えるものなかったとしても、達成できた点を認め、子供に伝えましょう。子育ては愛情を持って「ほめて伸ばす」が基本です。

その4.会話を心がける。

 学校でのトラブルに直面したとき、できるだけ自分の考えを子供に伝えてみましょう。テレビでのニュースの後、自分の言葉で説明してみましょう。難しい問題についてもあなた自身の経験談や考えを子供に伝えましょう。

その5.希望は高く持ち、現実も見据えたサポートする。

 毎日の学習、活動への取り組みが、その後の人生に大きな影響を与えます。子供には希望を高く、夢を持つように働きかけましょう。その一方で、子供の立ち位置を確認し、必要な学習や活動に関する具体的なサポートもしましょう。

その6.子供の教育に関心を向ける。

 学校の成績で達成できていない部分がないかを面談やテスト結果などで確認しましょう。毎日の宿題ができているか?学校の遅刻はないか?学校では希望する進路に必要な科目の選択ができているか?等も確認しましょう。

その7.成功体験を経験させる。

 課外活動では、舞台、対外試合、記録の更新などを応援しましょう。「やればできる」「失敗してもあきらめない」は子供の生きる力につながります。

その8.子供の友人関係を知っておく。

 子供の友達の名前を知っておきましょう。友達の両親ともコミニケーションを取るようにしましょう。

その9.インターネットやテレビとの関わり方を話し合う。

 どういったテレビ番組やネット情報を選択すべきなのかを話し合いましょう。子供が聴いている音楽や雑誌などにも関心を払いましょう。

その10.子供の手本になる。

 子供の良い手本になりましょう。「子供にこんな人になってほしい」というモデルに自分がなってみましょう。

 この時期に、摂食障害、うつ、適応障害など、子供と親だけで解決できない問題に直面することもあります。必要な場合は、情報を収集したり、医療機関やカウンセラーに相談しましょう。当クリニックにもお気軽にご相談ください。

 

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