人によって異なる「虫歯の感受性」
同じように甘いものを食べていても、「虫歯になりやすい人」と「虫歯になりにくい人」がいます。さらに、同じ人の口の中でも「虫歯になってしまう歯」と「ならない歯」があります。虫歯のなりやすさには個人差や部位の違いが影響し、これを「虫歯に対する感受性（カリエスリスク）」と呼んでいます。では、その感受性はどのように決まるのでしょうか。
「中途半端な治療」が虫歯を引き起こす？
「歯の治療なんて、詰めて被せてしまえばみな同じ…」。そうお考えではありませんか？ところが、一度治療した歯が「虫歯」をきっかけにさらに虫歯ができる例は予想以上に多いのです。これは詰め物（インレー）や冠（クラウン）などに接した部分が新たに虫歯になるためであり、これを「二次う蝕」と言います。
「二次う蝕」は虫歯を削り残して再発したという疾患ではありません。粗雑な治療や修復材料が原因で詰め物や冠が歯にピッタリ合わず、そのすき間に溜まった歯垢が主な原因です。
歯の治療はミクロンの世界
詰め物や冠などの修復物と歯のすき間や段差が、およそ100ミクロン（0.1㎜）以上になると歯垢が溜まり、再び虫歯になる危険性が高まると言われています。困ったことに「二次う蝕」の場合は、初発の虫歯のように痛みや不快感が無いケースが多いため、知らないうちに修復物の中で進行し歯がボロボロになってしまうこともあります。虫歯治療には、初めの治療が肝心なのです。適切な材料で、時間と手間をかけて最良の治療を受けるように心がけましょう。
治療後に虫歯になる例
自然治癒が望めない虫歯だからこそ…
虫歯はごく初期のうちには自己修復力がありますが、一定以上進行すると自然治癒はありません。「カリエスリスク」を知ることで、より効果的な予防を心がけましょう。そして、もしも虫歯になってしまったら、最良で十分
な治療とこまめな手入れを行うことが、ご自分の歯を長く使うための近道となるのです。
日本デンタルセンター
秋山 逸馬 先生
日本大学歯学部・同大学院卒業。医局員時代に大連市からの要請で病院開業や韓国の国際学会設立に参画。2002年に来星し邦人歯科医療に従事。06年クリニックを移転し「日本デンタルセンター」を設立。歯科医院運営にも携わる。
過去の歯科コラムもぜひご覧ください。
「歯の外傷」「 歯周病とからだの病気」「 ブラキシズム」「 日頃のブラッシング」「 咬むこととお顔のバランスの関係」「歯のクリーニング」「歯を守ることが健康のカギ！」「「入れ歯」は、日本人だけ？」https://www.spring-js.com/expert/5999/
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