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笑顔になれるコラム

vol.12 当たり前にできていることにも「褒め言葉」を

2017.09.25

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古今東西、子育ての悩みは尽きません。特に海外では、海外ならではの環境も加わり、悩みは深くなりがちです。Springでは、これまで国内外で数多くのご家族を見守り、支えてきた専門家の方からの温かいメッセージをお届けしています。

シンガポール日本人学校小学部チャンギ校スクールカウンセラー/日本人会クリニック 臨床心理士 坂牧 円春 先生

小学校の保護者の方から、朝になると子どもが「お腹痛い、頭が痛いと言ってぐずぐずしている」という話を度々聞きます。実際に病気がある訳ではなく、背中を押して登校させると学校では普通に過ごして帰ってくるそうですが、また朝になると同じ状況が゙繰り返されます。お話をうかがうと、シンガポールに来てから勉強や習いごとをたくさんさせるようになり、お母さんも口厳しくなって急かして生活をしてきた、という背景が見えてきます。

シンガポールは教育熱心な国で、日系の塾や習いごとも豊富にあり、皆が「追いつけ追い越せ」と焦って頑張っているように感じます。大人が「あれもやらせたい」「これもやらせたい」と思うとともに、子どもたちもそれに応えようと頑張っているのだと思います。ただ、その焦りやプレッシャーが強くなると、身体にサインが出ることがあります。それが゙腹痛や頭痛なのです。子どもにとって、自分が感じていることを自覚し誰かに話すことは難しいものです。ですから、周囲の大人が身体のサインを通して、お子さんの心の状態に気づことも大切なのです。

頑張ることは悪いことではありません。しかし、既に頑張っているお子さんに対して「もっと頑張りなさい」「ちゃんとやりなさい」と言い続けると、「今の自分ではダメなんだ」というメッセージに聞こえてしまうかもしれません。それよりも、お子さんが今、当たり前にやっていることに対して「すごいね」「頑張っているね」とポジティブな言葉をかける方が、今の自分を認めてもらっていると感じ、大変なことを乗り越える意欲が湧いてくると思います。時には家事に協力してもらい「助かる」「ありがとう」という言葉がけをするだけでも、良い循環が生まれるかもしれません。ぜひ、当たり前にできていることに少しずつ褒め言葉をかけていきましょう。

皆さんが安心して日々を過ごせるように、クリニックではカウンセリングを行っています。気になることや心配なことがある場合にはご相談にいらしてください。

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