海外生・帰国生へのヒント
海城中学 2年生 米倉 悠史さん「日々努力をし続けたシンガポール生活」

はじめての転校と英語の授業への戸惑い

中学1年生の秋にシンガポールへ引っ越し、シンガポール日本人学校中学部へ転入しました。はじめての転校で学校に行くのが辛い時期もありましたが、2年生になる頃には仲の良い友人も増え、毎日楽しく学校へ通うようになりました。

体育や家庭科、美術などの教科はイマージョン教育の一環でシンガポール人の先生が授業をすることが多く、最初は先生が英語で話している内容がわかりませんでした。しかし、毎日先生の話す英語の一語一語に注意深く耳を澄ましたことで、自然とリスニング力が身についていきました。数ヵ月経った頃には先生の冗談もわかるようになり、クラスの友人と笑い合えるようになりました。また、学校帰りに一人で買い物をすることで、会計時に英語でコミュニケーションをとることも大切にしていました。

海城中学 2年生 米倉 悠史さん「日々努力をし続けたシンガポール生活」

コロナ禍の学校生活

コロナウイルスの感染拡大によりオンライン授業に切り替わったことで、学校へ通えない時期がありました。友人と直接会うことはできませんでしたが、オンライン授業で顔を合わせ、昼食も先生・友人と一緒に画面越しで食べるなど、会えなくてもつながりを感じることができました。放課後に、友人と電話をつないでゲームをしたことも、良い思い出です。

帰国を視野に入れて

週末は父と公園でフリスビーの練習をしていました。日本でフリスビーを使用した「ドッヂビー」というスポーツのクラブチームに所属していたので、帰国後の復帰を視野に入れ、技量を維持すべくトレーニングに励みました。

学習面では、帰国後に復学する海城中学とシンガポール日本人学校中学部の進度が異なっていたため、自分のペースで進められる教材を日本から取り寄せて自学しました。また、海城中学の先生がテストやテキストを送ってくださったので、目を通すように心掛けていました。

海城中学 2年生 米倉 悠史さん「日々努力をし続けたシンガポール生活」
 ドッヂビー自主練後に

 

復学後の生活

海城中学は、受験前に文化祭を訪れた際に活気があり、在校生が一生懸命に取り組んでいる姿や、さまざまな部活の展示を見て魅力を感じました。校舎が綺麗で、人工芝のグラウンドがあることも気に入っていました。海外からの帰国時に復学が認められる制度があり、実際に復学できたのでとても有り難かったです。

中学2年生の2学期に復学したため友人関係や学習面に不安がありましたが、渡星前からの友人が廊下で声を掛けてくれたり、在星経験のある友人と好きなシンガポール料理の話をしたりすることで、すぐに馴染むことができました。また、古文や数学の幾何など、まだ習っていなかった単元も「ゼロからやっていけば間に合うから大丈夫」と先生が声を掛けてくださったり、友人も習っていなかった単元のノートを写真で送ってくれるなどサポートしてくれました。帰国後も前向きに学校生活を過ごせたのは、先生や友人たちのおかげだと感謝しています。

海城中学 2年生 米倉 悠史さん「日々努力をし続けたシンガポール生活」
復学し勉学に励む

 

将来の夢

小さい頃から「モノ」が好きで、特に身近で手にしやすく、小さい中にさまざまな機能を兼ね揃える「文房具」に興味があります。将来はそういった「モノ」の開発に携わる仕事がしたいと考えています。シンガポールでは奇抜な建物や自動運転の地下鉄など、先進的な技術を目にすることが多く、とても刺激を受けました。また、日本のメーカーのブランド名をよく見かけたことで、改めて日本の技術の素晴らしさを認識することもできました。

海外生へのメッセージ

私は海外生活を経たことで、日本でニュースを見ていても、海外にはどう伝わるのだろうか、海外のニュースをどの視点で理解したら良いだろうか、と考えるようになり、物ごとを多面的に見ることができるようになりました。皆さんも、日本では経験できないシンガポールでの貴重な生活・体験を楽しんでください。

お母さまより

出発前はまだ幼さが残っていましたが、渡星後すぐ1人で英語に挑戦しながら買い物をするなど努力を重ね、数ヵ月後には私が聞き取れない英語をフォローしてくれるまで成長し頼もしく思いました。短い在星期間でしたが、この経験を生かし今後もいろいろなことに興味を持って挑戦していってくれたらと思います。

※海城中学高等学校の詳細はこちらhttps://spring-js.com/japan/939/2/

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