13年間のシンガポール生活
私は、2歳から中学校卒業までをシンガポールで過ごしました。渡星したときのことは幼かったので覚えていませんが、家の周りやプールなどで外国人の子と毎日仲良く遊んでいたようです。当初は5年ほどで帰国する予定だったので、帰国後すぐに馴染めるよう日本人幼稚園から日本人小学校に進学しました。結果的に長期間滞在することになりましたが、すでに友人も多くいたため、日本人学校に通い続けました。
小学生のときは、水泳やボルダリングを習っていました。 水泳は現地のスイミングスクールに通っており、はじめは泳法などの英語がよくわからず不安で、周りの人の動きを見ながら泳いでいました。そのうち、現地の子どもと少しずつコミュニケーションが取れるようになり「完璧な英語でなくても気持ちがあれば伝わる」ことを実感しました。
シンガポール生活で特に印象に残っていることは、イスラム教の断食です。知り合いのマレーシア人の家族と断食期間中にレストランに行く機会があり、日の入りの時刻にお経が流れて驚いたことを覚えています。また、断食明けを祝う「ハリラヤアプサ」という祝日には、その家族の家に招かれ、みんなで食事をしました。見たことのない料理をたくさん食べ、同じ年頃の子どもたちと一緒に遊んだことは、思い出深く貴重な経験となりました。
日本の高校に入学
日本の高校への進学を考えていた時期はコロナ禍で一時帰国ができなかったこともあり、シンガポールで受験ができる寮のある高校を探していました。
事前の学校見学や説明会には参加できませんでしたが、シンガポールでオンラインの学校説明会に参加したり、日系の学習塾に通って受験対策を行ったりしました。
土浦日本大学高等学校は、学力や進学大学のレベルに合わせた3コース5クラスから選択できることや寮があること、帰国生の受け入れ実績が多いことが決め手となり、進学を決めました。
充実した高校生活
高校に入学するまで日本で生活した経験がほとんどなく、公共交通機関に乗ることも一苦労でした。寮生活が不安だったこともあり、はじめは誰とも話せずにいましたが、徐々に友人もでき慣れていきました。
英語については、日本人学校でネイティブの先生に授業を受けていたこともあり、中学1年生の時に英検準2級を取得でき大きな自信となりました。最近は、さらに上級の取得を目標に勉強をしています。シンガポールでは現地のラジオを毎日聴いてリスニング力が鍛えられたので、帰国後も寮の部屋で英語のラジオを聴くように心がけています。授業で多くの英単語や文法を学習しているため、より内容を理解できるよう、以前より意識して聴くようになりました。
高校では特別進学コースに在籍しています。英語はネイティブの先 生による少人数制授業で、一人ひとりが何度も発言する機会があり、 英語力の向上を実感しています。
「インタレストラーニング」と呼ばれる科目外の講座では、自分の興味がある講座を選択することができます。私は「青春18きっぷ」を使った日帰り旅行を 計画・実行し、旅行後にその内容を発表する講座を選びました。鉄道旅行を計画する面白さや難しさを経験し、各地の知られざる名所を訪問し、視野を広げ、それを発表します。先生方はアドバイザーとして親身にサポートくださいました。主体はあくまで生徒たちで「計画・調査・実行・発表力」など、さまざまなスキルを磨くことができました。
シンガポールで培った経験や高校での学びを生かし、将来は航空整備士や建築関係の仕事に就きたいと考えています。
海外生へのメッセージ
海外で生活していると普通に思っていた日常でも、帰国後に振り返るととても貴重な経験をしていたということに気がつきます。現在、海外で生活している皆さんも毎日を大切に過ごしてください。
保護者より
帰国生の受け入れが多く、寮もしっかりしている点を重視して高校を選びました。13年間シンガポールで育ったため、はじめは不安でしたが、先生方の親身なフォローのおかげで、しっかりと生活できているようです。多国籍な環境で育ったため「世界は広い」ということを身をもって知っているので、高校生活や今後の人生に生かしてほしいと思います。
※土浦日本大学高等学校の詳細はこちらhttps://spring-js.com/japan/7595/2/