自分自身を知ったシンガポール生活
小学5年生の時に、母親の仕事のためシンガポールに移りました。はじめての海外生活でしたが、国際的な教育を受け視野を広げてほしいという両親の思いもあり、カナディアン・インターナショナルスクール(CIS)に入学しました。
高校卒業までの7年間を過ごしたCISでは、「自分自身」を知ることができたと感じています。学校の先生や友人との関わりなど幅広い体験を通じて「自分が何に興味を持って情熱を注げるのか」そして「どのような志を持って生きていくのか」という将来の目標も見つけることが できました。
学校生活で特に思い出に残っているのは、8年生の時に参加したティオマン島への修学旅行です。友だちと一緒に島のマングローブを探検し、マングローブがどのように生態系に貢献しているのかを学びました。また、昨今注目度が高いSDGsに代表される「持続可能性」とは何を意味するのか、さらに人々の行動が環境にどのような影響を与えるかについても知ることができました。このような探究学習を通じて、自分自身もより良い社会を担う一員として考えるきっかけになりました。
ティオマン島での修学旅行
国際バカロレアで視野を広げる
CISでは、「国際バカロレア・プログラム(IB )」を学びました。高校卒業資格であるIBディプロマ(DP)では、大学で生物医学分野を学びたいと思い、化学と生物を選択しました。科目選択の際には、その科目がどのように実生活で応用され、どのような社会課題の解決に役立つかを具体的に学習することができたので、将来のキャリアを考えるうえで大変有意義だったと思います。
IB DPでは、クリエイティブになり奉仕活動にも積極的に参加することが求められます。学業と課外活動のバランスをとることは大変でしたが、結果的に大学出願の大きなアピールポイントになったと感じています。特に私が頑張った課外活動は、キャプテンとして女子U16バレーボールチームをまとめたこと、副キャンプテンとしてU19バレーボールチームでリーダーシップを発揮したことです。両リーグで最優秀選手賞を受賞することもでき、チーム皆でスポーツに打ち込むことで視野も 広がりました。
シンガポールからカナダの文化・価値観を知る
私が住んでいたのはシンガポールでしたが、CISのコミュニティにいたことで、カナダの素晴らしい文化や価値観も吸収できたと感じています。先生と生徒の距離が近く皆フレンドリーで、CISのコミュニティは誰もが受け入れられる素晴らしい環境でした。その背景には、カナダの国民性や価値観も関係しているようです。さまざまな国で課外活動を行い、その活動を通じて新たな友情や人間関係を築いた経験は貴重な財産になりました。今後もCISの先生やクラスメイトとは大切に繋がっていきたいと思います。
リベラルアーツ・カレッジでの学際的な学び
高校卒業後は、国際基督教大学(ICU)に進学しました。ICUでは、リベラルアーツプログラムとして、まずは理系・文系の垣根を超えて学際的に学ぶことができます。このプログラムはとてもユニークで、31の分野から専攻・ 副専攻またはダブルメジャーを選択でき、さらに自分の興味関心の分野を広げることができます。私は生物医学の専攻を志望していますが、現在は化学が他の科学分野とどのように関連しているか、さらに技術革新にどのように応用されているかについても学んでいます。
3年次には専攻を確定させるため、バイオメディカル・リサーチ(生物医学の研究)に照準を合わせながら、学内の留学プログラムに申し込んでいます。将来は、アメリカかイギリスへの大学院進学も視野に入れており、その後は困っている人々に手を差し伸べられる起業家を目指しています。
海外で暮らす方へのメッセージ
海外生活では適応力を身につけ、帰国後も多様な価値観を持つ人々との関わりを楽しんでください。私の場合は、インターナショナルスクールでのさまざまな体験から、「学業」「課外活動」「社会生活」のバランスをとる術を身につけることができました。現在は大学でバレーボール部と合気道部に所属しながら、学業でも同じ志を持った親しい友人もでき充実した日々を過ごしています。皆さんもぜひ、自立心を身につけながら、目標に向かって頑張ってください。
※国際基督教大学(ICU)の詳細はこちらhttps://spring-js.com/japan/7288/