海外生の強みは、楽観主義と行動力
東京大学理科一類 2年 三浦 直央さん
2008~09年(3~4歳) シンガポール このはな幼稚園
09~12年(5~8歳) ドイツ フランクルフルト・インターナショナルスクール
13~16年(9~12歳) 日本 公立小学校
16~23年(12~18歳) 東京都市大学付属中学校・高等学校
海外在住歴
シンガポール
▼
ドイツ
▼
日本
海外での楽しい幼少期
私は幼稚園から小学3年までを海外で過ごしました。日本での園・学校生活を経験していなかったため海外の環境をすんなり受け入れることができ、のびのびと過ごすことができました。今でも思い出すのは、当時のスクールバスや昼休みでの遊びや、友だちの家に泊まったりしたことです。その記憶には、友人が「外国人」で自分が「日本人」であるという区別は存在せず、純粋に楽しい感覚が残っています。遊びながら英語も自然に身につき、未知のことも楽観的に考える性格になっていったと思います。
海外でも帰国後も英語を伸ばす
私の場合、親が「将来国際的に活躍するためには、英語が重要である」と考え、シンガポールでは日本語と英語両方を日常的に使う日系園、ドイツではインターナショナルスクールと週一回の日本語補習授業校(補習校)に通うことになりました。英語の方が得意になっていた私は、補習校の宿題は親の助けを借りながらなんとか仕上げていました。 帰国時には、英語力維持のためにインターナショナルスクールに編入することも検討しましたが人数制限などで叶わず、先に帰国した友人がいる公立小学校に通うことになりました。帰国直後に帰国生向けの英語塾に入り、小3から高1まで通い、主に帰国生入試・英検対策を行いました。おかげで、帰国生向けの英語学習が充実している東京都市大学付属中学校に入学することができました。
帰国生の強みを生かし東京大学を目指す
同校では、スポーツや理系など多岐にわたる部活があり、私はバスケットボール部に所属し引退まで6年間没頭しました。学業では、将来の大学受験で英語と数学(算数)が要になると聞いていたため、帰国生としての強みである英語とともに、数学に注力していきました。部活・学業・友との遊びなど充実していたものの進路は決めかねていたところ、東京大学にはリベラルアーツ教育の一環として、大学1・2年次の成績をもとに3年次に専攻を決められる「東大の進学振り分け制度」があることを知り、とても惹かれました。全体的に楽観的に考える私は「母校に名を残したい」という思いで、まず母校初の東大理三(2023年当時までは)を目指すことを決めました。英語を強みにできていたものの、高三の模試判定を受けた際に浪人も視野に入れて理三そして医師を目指したいのか、あるいは大学内で医学部にこだわらず可能性を広げたいかを天秤にかけました。最終的には東京大学の理一に現役合格し進学しました。
将来を見据えた大学生活
大学では、英語でディスカッションを行うアクティブラーニングの授業や、自ら仮説を立て実験後に検証結果を英語で論文にする授業が、論理的思考力を使いTry and Errorができやりがいを感じています。 東大生の印象としては、性格や価値観の面では意外と普通の人が多く親しみやすいですが、試験対策は怠らないという印象があります。大学のテストでは皆が高得点をとるため身が引き締まります。学業だけでなく、学生起業を考え既に行動している先輩や同級生からは大いに刺激を受けています。将来の夢として具体的な職業は決まっていませんが、海外経験や学校・大学でのアドバンテージを生かしたいと考えています。先輩や同期に出会い、さらには家族も含め今までの恵まれた環境を無駄にせず、社会に貢献していくことが使命だと考えています。
海外で暮らす皆さんへ
海外生活を経験できるのはほんの一握りのチャンスであり、その重要性に気づくのは帰国後だと思います。ぜひ、今のうちに環境を最大限に活用し将来の糧にしてください。また、帰国後に海外での経験を生かす鍵は「行動力」です。特に大学では勉強だけではなく、「社会を見る」ことが大事だと気づきました。社会に関わっていくには、自ら行動を起こし飛び込む勇気が必要です。私は、起業に関するプログラムに応募し、「REC」という帰国生向けコミュニティを立ち上げたことが大きな一歩になりました。「直感的に良いと思ったことに、躊躇せず行動する力」は異文化経験があったからこそ身についた、海外生の強みだと思います。
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