休眠に近い状態だった学校行事にも大きな変化がありました。それらを「つなぐ」ことをキーワードとして考えてみます。
9月下旬に実施された獅和祭(しおんさい)は3年ぶりに保護者の入場がかないました。午前は合唱コンクール、午後は有志による発表が行われ、各階の廊下には生徒の作品も展示されました。
この2年、新型コロナウィルス感染症の感染拡大防止のため、音楽の授業での歌唱は全くなく、校舎で生徒の歌声を聴くことはありませんでした。3年生にとっては中学校に入学して初めての合唱でしたが、歌う自信の喪失だけでなく、仲間と合唱する楽しさも忘れていま した。
前途多難のスタートでしたが、練習を繰り返すことで自信を取り戻し、そのハーモニーは日を追うごとに美しくなり、 本番での歌唱が待ち遠しくなりました。
3年生のパフォーマンスは圧倒的でした。みんなで一つのものに取り組む姿は美しく、聴く者の心を震わせました。
グローバルクラスの3年生がNUSH(シンガポール国立大学附属数理中学校)の生徒と交流を行いました。7月には本校の生徒が先方を訪問し、9月はNUSHの生徒が本校を訪問しました。その授業風景は、両校の生徒が数年来の友人のような 一体感がありました。
「言葉や文化の違いが壁 になるか、何も感じないかは自分たちの心の持ち方次第だ」と交流を振り返った生徒の言葉に象徴されるように、互いのアイデンティティを尊重しながら学ぶ姿に、本校の目指す「グローカルな人材育成」の希望を感じました。
獅和祭とNUSHとの交流は、仲間を「つなぐ」縦と横の関係、初対面の者同士の横の関係です。コロナ禍ではオンラインでの活動に可能性を見出し、コロナ後は対面での取り組みに新たな価値観を加えて歩み始めました。