コロナ禍により、世界各地で教育現場のデジタル化が進んでいます。シンガポールの小中高の公立校でもコロナ対策として昨年4月から2ヵ月間、オンライン自宅学習が行われました。オンラインへの移行は比較的スムーズに行われましたが、この自宅学習の教訓として「自律的に学ぶ力」の養成が課題として浮き彫りになりました。こうした中、政府は今年新たに、中高生向けに自宅学習を通常カリキュラムの一貫として定期的に行う「Blended Learning」を打ち出し、すべての学校で今年後半までに開始することにしました。
「Blended Learning」は、学校の外でも「自律的」に学習を進める力を養い、同時に個々の生徒の学びに対する情熱や動機を高めることを目的としています。具体的には、すべてのセカンダリースクール※で2週間に1日の頻度で自宅学習を行います。自宅学習の日はオンラインの授業だけでなく、生徒が自由に学習方法や目標を設定でき、さまざまな学習スタイルを「ブレンド」しながら学びます。またこれに伴い、すべてのセカンダリースクールの生徒に対するノートPCまたはタブレットなどデジタル学習機器の年内配布も発表されました。
教育省ではこれを機に、目まぐるしく変化する社会で必要とされる「生涯にわたり自ら学び続ける人」を育て、
また一人ひとりの強みや関心を生かした学習スタイルを推進したいとしています。しかし自宅学習の詳細は個々の
学校に委ねられている部分も多く、保護者の間では大人の目が届かないことへの不安の声も上がっています。
※中1~高1または高2まで