子どものころに身につけた食習慣は、生涯にわたり大きく影響するという研究結果が出ています。これを踏まえ、心身共に子どもの成長において大切な学校での食習慣を見直そうと、健康増進局と教育省が協同で「Healthy Meals In School Programme」に取り組んでいます。対象は小学校から高校3年生の学年までの児童・生徒です。具体的には、学校の食堂で買える食事が、単品からセットミールになりました。揚げ物を避けた肉や魚料理に、玄米や全粒粉パン、加えて野菜と果物をバランス良く摂取できるようになっています。
シンガポールの公立学校では、リセスタイムという30分の休み時間に自分の好きなものを食堂で購入することができます。子どもが自分で選ぶため、ジュースやスナック、ナゲットやピザなど「健康的でないものばかりを選ぶのでは」と保護者の心配は尽きませんでした。このプログラム開始以降、学校で販売される食事・飲み物に関してガイドラインが設けられ、チャイニーズ、マレー、インディアン、ウェスタンと全てのお店で単品に代わりセットミールが販売されるようになりました。栄養バランスがとれたお弁当を持たせることが一般的ではない当地の家庭には、この取り組みは大変歓迎されているようです。