シンガポール公立学校の広場
日本の部活動と同じように、シンガポールのローカル校でも生徒たちはさまざまなクラブ活動(Co-curricular activities, CCA)に参加しています。学校単位で競い合う各種スポーツに加え、音楽やダンスなどの芸術系クラブ、ボーイスカウト・ガールスカウトなどの活動、そして環境保護やロボティクスなどに取り組むサークルなど幅広いジャンルがありますが、学校によって提供されるCCAは異なります。このため、入学前からやってみたいCCAが決まっている子どもは、その有無によって学校を選ぶケースが多く見られます。また、特定のスポーツ競技に力を入れている学校では、セレクションで合格した生徒しかそのCCAに入れないことも多く、「もっと気軽にやりたいCCAを選べるようにしてほしい」という要望が聞かれていました。
こうした中で教育省は数年前から、文化コミュニティ青年省と協力して、校外で特定のCCAの機会を提供する「戦略的パートナーシップCCA(SP-CCA)」プログラムを開始しました。まずは試験的に陸上、ウォーターポロ、そして民族舞踊の3つについて、これらのCCAがない学校の生徒たちが参加できるように教育省の施設などでCCA活動を提供しています。このSP-CCAにはセレクションなしで参加でき、現在150あまりの学校から希望する生徒たちが放課後に通い、学校対抗の大会などにも混成の「SP-CCAチーム」として参加しています。
生徒たちにとっては選択肢が増えたことや、結果主義からの脱却、学校の枠を超えた仲間と交流できることなどが利点として挙げられていますが、教育省としては「好きこそものの上手なれ」と言われる通り、やる気のある子どもたちの中から才能を見出し、伸ばしていく機会を増やしたいという目的もあるようです。
2025年3月25日現在の情報です。最新情報は直接お問い合わせください。