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東日本大震災特集

親子で話そう「ボランティア」~東日本大震災から6年~

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2月下旬、シンガポール日本人会で東日本大震災の復興支援映画「MARCH」の講演会が開催されました。会場にはおよそ170人の方が訪れ、親子連れの姿も多く見られました。プロデューサーの「ちょんまげ隊長」ツンさんの講演と映画に、日ごろ被災地の支援やボランティア活動を身近に感じたことがない方も、被災地の今を知り、支援について考える貴重な機会となったようです。

プロデューサーの「ちょんまげ隊長」ツンさん

全国大会で賞を獲る実力があった南相馬市立原町第一小学校のマーチングバンドは、60人いたメンバーが、原発事故後に別の場所で学校を再開した時には4人しか残っていませんでした。誰もがその日を生きることで精一杯な避難所生活の中「マーチングがしたい、皆でまた全国大会に出たい」という子どもたちの想いに応え、「こんな時だからこそ、何とか楽器を吹かせてあげたい」と、一人の母親が立ち上がりました。顧問の先生は児童立ち入り禁止の小学校に楽器を取りに行きます。他県に避難していた仲間にも声をかけ続けたところ、少しずつメンバーが集まり始め、遂に活動を再開します。

全国大会で賞を獲る実力があった南相馬市立原町第一小学校のマーチングバンド

「夢をあきらめないことの大切さ」や「仲間の尊さ」など、この映画は淡々とした映像の中で多くを語り、「復興とは何か」「支援とは何か」と問いかけます。シンガポールの講演会では、「福島の現状を知らなくて恥ずかしいと思った」「懸命に練習する姿に感動しました」などと、参加者から多くの共感と感動の声が寄せられました。

東日本大震災から6年が経ち、その後も日本、そして世界では多くの災害が起こっています。ツンさんが伝えたことは「知ること、伝えることが支援の第一歩」「災害は他人ごとではない」「ボランティアやチャリティーは誰にでもできる」です。やれることを、やれる場所で。この春、海外に住むご家庭でも、ボランティア活動について親子で話し合ってみませんか。

「MARCH」
福島第一原発から25.3km – 2011月年3月を乗り越えた継続の行進曲

制作:映画MARCH制作委員会
http://seedsplus.main.jp/

今年2月、英国ロンドンの International Filmmaker Festival of World Cinema LONDONで「最優秀外国語ドキュメンタリー映画賞」を受賞

【映画制作への道のり・支援のかたち】

 上映会に先立ち講演をしたのは、映画をプロデュースした「ちょんまげ隊長」ツンさんこと、ツノダヒロカズ氏。誰もが一度会ったら忘れない「ちょんまげ姿」でサッカー日本代表を応援する名物サポーターのツンさんは、2011年に震災が起こるまでは「ボランティアは偽善者っぽい」と、一度もボランティア活動をしたことがありませんでした。しかし東日本大震災の直後に、自ら経営する靴店の靴を被災地に届けたことがきっかけで支援活動に携わることになり、以来、東北には100回以上足を運び、その後ネパールや熊本の地震の被災地支援にも取り組んでいきます。
 熊本で震災が起きた時、ツンさんは東北支援で手一杯なので新たな支援は無理だと考えていました。しかし、東北の支援活動で知り合った石巻・南相馬など被災地の子ども達、被災地報告会の縁でシンガポールの日本人の方々から、「熊本への募金を届けてほしい」と声をかけられたことがきっかけとなり、支援を始めたそうです。シンガポールからの要望は、教育機関に支援をしたいということで、探した先が「障がい者支援施設・城南学園」「シンガポールから声がかからなければ、縁はできなかったし城南学園での復興祭はできなかった」とツンさんは断言しています。
 東日本大震災から2年が経過した頃に、ツンさんは「MARCH」に出てくるマーチングバンド「Seeds+」と出会いました。ツンさんはそれまで毎週のように被災地に通い、その通り道だったにもかかわらず、福島はいつも素通りしていました。理由は「今思うと無知で恥ずかしいけど、放射能が怖かったから」。ところが、演奏会に誘われてSeeds+の演奏を聴き、この子たちに「青い空の下で、広い芝生の上で思いっきり演奏させてあげたい」という思いがこみ上げ、支援を呼びかけるようになります。四国・愛媛県の愛媛FCの協力が得られてスタジアムでの演奏が実現すると、今度はもっと多くの人にこの演奏と感動を見てもらいたい、と映画制作へと動き出しました。多くの人を巻き込みながら、子どもたちのひたむきな姿、涙、笑顔、そして感謝の気持ちを伝えるために制作されたこの作品は、シンガポールでの上映会に先立ち、2017年2月英国ロンドンのInternational Filmmaker Festival of World Cinema LONDONで「最優秀外国語ドキュメンタリー映画賞」を受賞しました。

 海外での評価が高まる一方で、この映画の有料貸出しが伸びない現実もツンさんは語りました。この映画は復興支援映画と位置づけています。福島の大変な部分、復興している部分を「伝える・見る支援」、そしてこの映画を有料貸出し、収益部分を福島の子ども達へ還元する「直接支援」です。日本から遠く離れている海外から、被災地に行かなくても子ども達に支援が届くシステムにしました。ぜひ、あなたの職場・学校などで上映しませんか?

詳細はウェブページへ  http://seedsplus.main.jp/

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