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企業からの声

味の素株式会社 監査役室/シンガポール味の素株式会社 前社長 吉川 哲彦 氏

2015.09.25

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具体的にどのような方法で各国のニーズに合わせた商品開発をするのでしょうか。

当社では、実地調査を徹底し商品を開発します。一般に欧米系の企業は、販売国により味や名前を変えることはしません。しかし当社では似ている商品でも国ごとに商品名やパッケージ・味を変え販売します。例えば、インドネシアで親しまれている「マサコ」という商品があります。「マサコ」はインドネシア語で「Let’s cook」という意味です。日本の「ほんだし」にあたり、チキン風味とビーフ風味の顆粒調味料です。このような調味料は世界で販売していますが、辛みや色を微妙に変えてその国に寄り添った味にし、商品名もその国の方に親しみを持っていただける名前にしているのです。

徹底した実地調査とは、現地の方の日常生活に入り込み行われます。私自身もかつて1年間、インドネシアの色々な家にホームステイをして泊まり歩き、その家の人がどのような食材をどのような流通過程を経て購入するのか、どのように調理し食すのかを調べたことがあります。日本人とナショナルスタッフが一緒になり、「良い商品を安価で提供し豊かな食生活を送ってもらいたい」という共通の思いを持ち、商品開発にあたります。

特に欠かせないのが、ナショナルスタッフからの意見です。日本人にはわからない現地の方の味覚や商品名を決める時の現地語の響きや感覚など多くの意見を聞き、開発を進めていきます。現地の声と味覚を尊重した商品開発、これは当社の変わらないビジネスモデルと言えるでしょう。

このような過程を経た商品が発売されてからしばらくして、再びその地を訪れたときのことは今でも忘れません。大勢の地元のお客さまが、私どもの営業車を見つけ走り寄り購入してくれたのです。人は皆、美味しいものを食べると最高の笑顔になり幸せを感じるものです。万国共通のその笑顔を見ると、命をつなぐ源である「食べる」という行為に彩りを添え、幸せをもたらすことができる食品メーカーで働くことの醍醐味を感じました。

御社が求める人材についてお聞かせください。

採用に関しては、理系・文系をほぼ半分ずつ採用しています。工場などの技術系には理系採用枠がありますが、その他の職種に関して学部は関係ありません。当社の最近の傾向として、理系出身者が事務職に就いていることがあります。事務職でも商品開発時にお客さまと研究・技術陣との橋渡しをする機会が多くあり、理系の話がわからないと仕事に支障をきたす場合があるからです。

採用時には「総合的な人間力」を持っているかどうかに注目します。特にコミュニケーションがしっかり取れることは最も大切な資質です。少し抽象的な言い方ですが、「話をしていて楽しい人」というのはとても大事だと思います。

優語学力に関しては、しっかりした英語力を身につけていることが必須条件です。半年~1年くらいの留学経験を持つ人がたくさんいますから、就活の場面でそれは特筆すべきポイントになりません。それよりも着実な英語を身につけるという意味で、TOEICの点数を上げていくこと、英検では1級か準1級などを取得されるほうが良いと思います。

海外で暮らすご家族へのメッセージをお願いします。

海外での生活経験を持ったお子さまは、大きな潜在能力があると思います。親子ともにご苦労もあると思いますが、何事も「ねばならない」と思わずに定期的に現状を振り返り、もし子どもに無理をさせているようならば方針転換を図ることも重要なポイントではないでしょうか。日本人学校やインター校、現地校など、子どもによって「合う」「合わない」があるでしょう。英語の習得だけにとらわれず、それぞれの学校できちんと勉強をすること、またしっかり日本語と日本のことを勉強することが大切だと感じます。

日本人は人に対して気遣いができ、規律正しく真面目なところが素晴らしいと思います。同時にTPOをわきまえた身のこなしや作法をしっかり身につける必要もあるでしょう。特に世界のビジネスシーンで日本人は年齢より若く見える傾向にあるので、ぜひこの点に気をつけて活躍していただきたいと思います。

シンガポールで暮らすと、アジアの良さがたくさん目に留まることでしょう。電車やバスで自分より弱い立場の人にごく自然に笑顔でさっと席を譲ったり、手を差し伸べたりする点は実に良いことだと思います。ぜひ皆さまの見つけた良い点を、日本へ持ち帰ってください。

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味の素株式会社 監査役室/シンガポール味の素株式会社 前社長
吉川 哲彦 氏

1980年 味の素㈱ 入社  国内営業
1985年 同社 海外事業部
1987年 同社 インドネシア マーケティング及び商品開発
1993年 同社 国内マーケティング
2002年 同社 マレーシア マーケティング及び商品開発取締役
2005年 シンガポール味の素㈱ 社長
2011年 味の素トレーディング㈱ 社長
2015年 味の素㈱ 監査役室(嘱託)

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