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笑顔になれるコラム

vol.15 「真の実力」を見極めて

2018.01.10

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古今東西、子育ての悩みは尽きません。特に海外では、海外ならではの環境も加わり、悩みは深くなりがちです。Springでは、これまで国内外で数多くのご家族を見守り、支えてきた専門家の方からの温かいメッセージをお届けしています。

早稲田アカデミー・ウエスト校 校長
高沢 祐治 先生

早稲田アカデミー・ウエスト校 校長 高沢 祐治 先生

文部科学省が2016年10月に発表した「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」によると、不登校の中学生は全体の2.8%でした。ちなみに「偏差値70以上」の割合は全体が2.3%ですから、その割合よりも多いということになります。

さて、2.8%という割合は35人に1人、つまり学校のクラスに1人いるという割合でしょうか。私は学習塾の現場に携わっていますので不登校のケースを実際に見てきましたが、不登校になる生徒とならない生徒との違いは紙一重というのが実感です。不登校の原因というと「いじめ」を連想するかもしれませんが、実は全体の2%ほど。では、シンガポールで生じるケースはどうかというと、疾患・入院による長期欠席を除けば、たいていは「学業不振」、いや「学力不信」によるものだと思われます。

実際に、日本ではクラスで5位以内の成績だった子が、ここシンガポールの日本人学校に入った途端、下から5位以内になってしまうこともあります。ご本人も親御さんも学業不振と思い込みがちですが、決してそうとは限りません。なぜなら、シンガポール日本人学校中学部は、実にハイレベルな学校だからです。学力データが公表されているわけではないので、正確な数値は出せませんが、当校実施の学力テストデータ・各高校入試の難易度と合格率の関係・進学先を合わせると、平均偏差値は63~64、偏差値60以上が全体の約80%を占めると予測されます。日本の中学校で考えたら35人中28人が偏差値60以上ということです。日本でクラス5番でも、日本人学校に入ったら25~28番になってしまう状況なのです。定期テスト(総合考査)で平均点以上を取る生徒は偏差値65以上ということになり、全体の約7%ですから、日本の中学校で考えたら1クラスで2~3人に値します。男女別では1位になりうるということです。平均点以下の中での真ん中だって、日本の中学校ではクラス5番です。学力不振どころか、むしろ勉強が得意なお子さまなのです。学校での成績だけを評価の基準にせず、お子さんの「真の実力」と、その伸び方をじっくり見極めてあげることの大切さを感じています。

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