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なぜ「国際バカロレア」なのか | 第3回 保護者の素朴な疑問にせまる編

2015.11.25

  • 国際バカロレア(IB)
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Q. 日本でIBを学習する場合、まだまだ学費の負担が大きいです。国からの助成の可能性はないのでしょうか。

「各都道府県に必ず一校のIB校を目指します」 IBを日本で導入することが決まって以来、「経済格差が教育格差」にならないよう、努めてきました。学費の他にも、例えば、DP※2生は卒業試験代だけでもUS$850かかります。IBは国民全体に対するプログラムではないので、税金を投じるわけにいかず、文科省からの援助は得られません。そこでIB学習者を支援するための財団を創設しました。すべてのIB学習者が安心して学べるように、セーフティーネット *を張っていくつもりです。 現在は、文科省と共に「各都道府県に必ず一校のIB校を!」を目指して取り組んでいます。地元にゆかりがある企業に寄付をいただきながら、授業費などの一部を負担していただくものです。グローバル教育というと東京や海外を連想しがちですが、まずは地域ごとに高い志を持つリーダーを育て、皆で地域を牽引する活動を支援したいと思っています。これまでは公立校に企業のお金が直接入るスキームがありませんでした。現在は札幌をモデルケースに進めており、これがうまく機能すれば 他の自治体も追随すると考えています。過疎化が進んでいるような自治体こそ是非グローバル教育に目を向けてほしいのです。 * 一般財団法人 世界で生きる教育推進支援財団については下記リンクをご参照ください。

http://www.sekaideikiru.com/

Q. PYP※3、MYP※4を学ばず、DPだけを学習する意義はあるのでしょうか。

「勉強量が多いDPを学習することは有益。できればMYPからが理想的」 IBで価値が置かれているのはPYP、MYP、DPを通して「10の学習者像※5」になることです。つまり、IBは「エリートになる」ためでも、英語が流暢に話せるようになるためでもなく、学習姿勢を身につけることが目的です。 PYPから学習することによりIBが求める「全人教育」は達成しやすくなるでしょう。実際のところ、IBを長年学習しているのと短期間だけとでは最終的に効果に差が出ると感じています。DPは、そのスコアが世界2,000以上の大学で非常に高い評価を得ています。大学入学審査の案件にも用いられており、学校に行くときはその課題のリサーチは終わっている前提であるほど家庭学習が必要です。勉強量が多いのでDPを学習することは生徒にとって非常に有益だと思います。つまりDPだけでも意味はありますが、できればMYPからDPの流れがあるとより良いと思います。 IB校を設立・運営すると共に、母親としてわが子の学習課程を傍らで見て感じたことは、PYPから学習していると、どの生徒もMYPが終わる頃までに自らの得意分野や関心の高い科目を見いだすことができるようになっているということです。 そして将来の自分ができる社会貢献の形が、得意科目・分野の延長線上と考えて DPの科目を選択することになります。仮にMYPを経ていない場合、どの科目で点数が取り易いか、という短絡的な視点で科目を選択しがちです。DPへの大切な準備期間がMYPだと感じますので、少なくともMYP-DPという2つの流れがあると有意義だと感じます。 IBの学習者像では「不確実な事態に対し、ひとりで、または協力して新しい考えや方法を探求する」ことを目指す。 写真提供:国際バカロレア機構

Q. PYPは探究型学習重視で、学年相応の知識が身につかないのではと不安を感じます。

「学校独自の補足的取り組みで、十分な知識は得られる」 どのIB導入校でも同じような質問を受けています。学校ごとに、特に算数や読み書きにおいて高い基礎学力を身につけるべく独自の取り組みをしているようです。PYPでも学年ごとの到達目標を定めているので、教科融合型学習と言っても算数と読み書きは強化するように、カリキュラムのサイドから補足的に入れているのです。

Q. IBでは多読が求められますが、読書力のない子には不向きでしょうか。また、向く子、向かない子はありますか。

「世界のIBDP学習者の80%が修了しており、万人向きと言えるでしょう」 生徒が10人いたら10通りの学び方があります。生徒の資質というよりは、学校の受け入れ態勢で状況は変わるように思います。例えば、従来の日本の公立校のように、1クラス40人構成ですと 難しいことでも、20人であれば、ある程度個別 対応が可能になります。IBの運営では、そこが重要だと思います。 子どもの年齢や、成長過程でも状況は大きく変わるでしょう。私の下の子は本に興味を示さず、どうなるのかと不安でした。しかし、高校生になるとDPで読まなくてはならない本が結構あるので、気がつけば自然に本を読むようになっていました。 子どもは年齢的な発達によって興味の対象が変化していくので、幼少期の段階で向き不向きを決めつけない方が良いと思います。保護者は短期的な視点で子どもを見がちですが、教育はことさら長い期間を要するものです。興味や習慣は途中で大きく変わりますから、現時点で判断して否定的にならず、長い目で見守りましょう。どのカリキュラムでも、100%の生徒に合うものはありません。世界的にはDP 修了者は80%にのぼるのですから、充分万人向けと言えるのではないでしょうか。

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