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国際バカロレア

なぜ「国際バカロレア」なのか | 第4回 大学編

2016.03.25

  • 国際バカロレア(IB)
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IBへの課題はありますか

石隈氏: 今後、国際バカロレア・ディプロマプログラム(IBDP)を実施する高校が増える中で、IB教員の養成が必要です。IB教員は、日本の一般の教員資格を取った上で、更にIB校でも教えられるメソッドを学ぶ必要があります。日本の一条校※の免許にIBのトレーニングを積むイメージです。本学では、大学院でIB教員の養成をするコースの準備をしています。

※学校教育基本法・第一条で定められている、幼稚園・小学校・中学校・高等学校・高等専門学校・大学のこと。通常は高校卒業資格と見なされる。

写真提供:国際バカロレア機構

写真提供:国際バカロレア機構

国際バカロレア(IB)を修了して日本の大学に進んだ学生の方4名に、IBの学びについて聞きました。

質問内容
① 英語学習経験は ② IBDPを選んだ理由は ③ IBDPで一番苦労した点・楽しめた点は

多岐にわたる質問に詳細にお答えいただきましたが、誌面ではその一部をご紹介します。科目選択や学習法、ハイスコアをとるために心がけた点などは、ウェブサイトで公開しています。

国際基督教大学(ICU) 中村 陶子(なかむらとうこ)さん

国際基督教大学(ICU)中村 陶子(なかむらとうこ)さん

公立小学校
→AICJ Junior High School
→ニュージーランドAuckland International College
→ICU 教養学部

「日本の大学に行っても海外の大学のような学びを求めて、日本のリベラルアーツ教育の先駆的な存在で少人数制のICUを志望しました」

「私にとってのIB」
IBは大学受験で有利だと思います。IBを受け入れている日本の大学であれば、主にIBのスコアを含む書類選考です。センター試験のように一発勝負ではないため心にゆとりが生まれこつこつ勉強できるので、自分に合っていたと感じます。受験に特化した勉強をしなくて良いので、日々の勉強に注力することが可能です。ただ、受験する大学が9月入学を実施している学部や一部の学部などに限定されるのが課題だと思います。
IBをしっかりやっていれば、大学の学びもスムーズに、より効率的に進められると思います。特にエッセイは、IB時代にかなりこなしていたので、大学でのレポートはあまり苦労していません。

①小学生までは、週1回の英会話教室程度。中学では、国語のみ日本語で学び、数学・英語・社会・理科・体育は英語でのイマージョン教育。姉妹校のニュージーランドの高校に単身留学。

②「英語を学ぶのではなく、英語で学ぶ」ことを目指していたから。

③当初は留学先の授業を理解するだけでひと苦労でした。いきなりA4一枚に20分で英語でEssayを書くように言われ、Essayの書き方や構図、時間内に仕上げるコツが全く分からず戸惑いました。プレゼンの多さ、PowerPointやExcelなどのPCスキルも一から学びました。生物の授業では、自分でオリジナルの実験方法を作り、それをまとめるという日本の教育にはないクリエイティブなものがたくさんあり、慣れていない私には難しかったです。
Economicsは、はじめは苦手科目でしたが、復習に一番時間を割いた結果、半年ほどでかなり知識量が増え、経済用語にも明るくなったことでモチベーションが向上しました。日本のTPP問題やアベノミクスなどを、楽しんで考察できるまでになりました。

ハイスコアを取るために心がけたこと
■ IBで高得点を取ることを第一目標にすること。
■ 受験のためには、TOEFLの構成を攻略して、慣れることが重要。90点以上を目標に努力した。
■ 日々のテストやエッセイがそのまま合否につながるので、こつこつと勉強を積むこと。

Q. IBDPの選択科目とその理由は
HL: Economics, Japanese A, English B  SL: Biology, Spanish ab, Math
※HLとはHigher Level、SLとはStandard Levelのこと。IBDPでは3教科を必ずHLで選択する必要がある。

語学や文学が好きだったため、日本語、英語以外にSpanish abを選択しました。
社会科系は、Economics Geography Historyの3つの中で、将来役立つと考えEconomicsを選択、理系はあまり得意ではなかったので、一番計算や化学式の使用が少ない Biologyを選択しました。
※Spanish abの「ab」とはab initioのことで、外国語としての初級クラス。

Q. 工夫された学習法は
周りの現地の生徒に比べて英語力が劣っていたため、はじめは授業中に発言することが出来なかったのでその代わりに、先生の言ったことがわからなくても、とりあえずメモを取ることに徹しました。授業後に教科書を読みながら勉強し、わからなかった単語を理解するために、英語のメモ中心の「授業中のノート」と、理解度を深めるために日本語でまとめた「復習用のノート」を組み合わせて学習していました。
どう頑張っても10年以上英語を学んでいるネイティブスピーカーには敵わないので、授業を熱心に聞いて、テストやエッセイでの情報量やクオリティを上げることに力を注ぎました。

Q. CASとTOKとは
CASは、日本でいう部活や課外活動と同じだと捉えています。バランスよい人間になるために、全てを網羅させるようにしているのだと思います。ここでの「学び」は、「情報」を頭に入れるいわゆる「勉強」ではなく、コミュニティの中で活動し、そこでの自分の行動を振り返ることで、自分の行動、発言、存在の意義を見つける「学び」であったと思います。私は東日本大震災の後に留学先で募金活動を行ないました。ここでは、NZ人の人と「募金」という行動を通してコミュニケーションを取りました。その活動を通して、日本の文化や環境、状態について聞かれ、自分の「日本に関する知識」の少なさを実感し更に勉強したいと思うようになったり、「わたしは日本人なのだ」という忘れがちな自分のアイデンティティの再発見にもつながりました。
TOKは、確かに理解することがかなり難しかったです。私が考えるに、自分の行動に対常に「疑問を持つこと」を教えてくれた教科であると思います。例えば、私は「ゴキブリが怖い」と思うとします。でも、なぜ自分より何十倍も小さく、殺されるなどの危害もないゴキブリを怖いと思うのか、感情や思い出、五感やイメージングなどのアスペクトに当てはめて、その理由を探すのがTOKであると思います。
※CASとは 3つの項目「creativity」 「action」 「service」を結びつけた社会貢献活動。

Q. 大学入学までのタイムラインは
IBDP1年目の終わり:
日本の大学への進学を決める。そこから、日本の9月入学を行なっている大学、同じ高校から日本の大学に進んだ先輩たちの進路先などから、ICU、早稲田、上智、慶応についてリサーチ。主にインターネットで雰囲気や校風について調べ、先輩たちから各大学の様子などを情報収集。

Q. 今感じていること・現在の大学生活について
大学では、まずIBよりも授業のコマ数が減った分、自主学習に時間を多くさけるようになりました。ICUでは、メディア・コミュニケーション・文化というメジャーを専攻していますが、実際に映画を撮影したり、コミックを書いたりと、より大きな行動からの学びが出来る。それは、大学ならではのスケールの大きな学びであると思います。高校の時と違い、ノートにまとめるだけでなく、新聞や文献を読み込むということを行っています。土日は、サークルのスノーボード合宿に行ったり、インターンなどの活動をしています。

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