経済の再生を目指す今の日本。世界と対等に渡り合える人材の育成は日本にとって喫緊の課題です。教育分野での開国、日本の内なる国際化のために、最高教育機関である大学が新たな挑戦を始めています。
「世界で活躍できる人材」の育成・獲得に向けて各大学が取り組む国際化戦略とは何か、シリーズでお届けします。
アジア太平洋地域の発展を目指して
立命館アジア太平洋大学(APU)は、「地球社会およびアジア太平洋の未来」に貢献できる人材の養成と新たな学問創造のために、2000年に開学しました。世界の中でも、殊にアジア太平洋地域の平和的で持続可能な発展と、人間と自然、多様な文化の共生を理念として掲げています。
本学の2学部のうち、国際経営学部(APM)では会計・ファイナンス、マーケティング、経営戦略と組織、イノベーション・経済学の学びを通して、企業や行政、NGOなどの組織を持続的な発展に導くマネジメント能力を強化していきます。一方、アジア太平洋学部(APS)では、環境・開発、観光学、国際関係、文化・社会・メディアを通して、貧困や環境汚染、地域開発や異文化の対立と紛争など、世界に山積する課題の解決策を追究し、その重要テーマを系統的に学んでいきます。各学部ではフィールドワークやケーススタディを充実させることで、実社会に近い学びの場を創出しています。
開学以来の国際的で先駆的な取り組みは、文部科学省より国際競争力を強化する大学として評価され、本学は2014年度「スーパーグローバル大学創成支援」の大学に採択されました。
「強み」は外国人比率の高さと世界の学術ネットワーク
<世界各国・地域の文化と言語、そしてさまざまな価値観が交流・融合するAPUは、世界の大学の中でも、外国人比率が極めて高い大学です。本学の専任教員の出身国・地域は合計24(2014年4月1現在)にのぼり、世界76ヵ国・地域からの2,700名を超える国際学生は学生全体の約5割を占めています(2015年5月1現在)。また、学術ネットワークは世界中に広がり、63ヵ国・地域の398大学・研究機関(2014年5月1日現在)と協定を結び、学生の交流があります。
日英両言語による講義とアジア太平洋言語
本学の講義形式の9割の授業は日英両言語で開講されています。また、「アジア太平洋言語」として中国語、韓国語、マレー・インドネシア語、スペイン語、タイ語、ベトナム語の6言語を、入門レベルから上級レベルまでの教育課程として提供しています。これらの言語を母語とする国際学生が多数在籍しているため、理想的な語学学習の環境も整っています。4年間で二つの大学の学位を取得するダブルディグリープログラムなど、英語力の高い帰国生を更に成長させる留学プログラムが多数準備されています。
国際学生と国内学生は、学寮「APハウス」をはじめとする共同生活や、課外活動・国際ボランティア活動などを通じて学業以外でも協働関係・友情を強固にしていきます。ここで養われる国籍・人種・文化の違いを超えた真の「国際感覚」と、ビジネスの第一線に不可欠な「グローバルコミュニケーション能力」は、まさに学生生活での財産となるでしょう。
世界からAPUへ、APUから世界へ
開学以来の入学者出身国・地域は131となり(2014年5月1日現在)、地球規模に広がる卒業生の組織「校友会」は、シンガポールをはじめ世界20拠点に広がりました。在校生・卒業生たちは、このネットワークを就職活動や、ビジネスの海外展開でも大いに活用しています。
国内学生97.6%国際学生90.0%という高い就職率(就職希望者のみ。2014年3月31日現在)は、APU出身のグローバル人材を企業が必要としている証です。約350社以上(2014年度実績)がキャンパス内で採用活動をするオンキャンパス・リクルーティングに参加しており、産学官連携インターンシップも活発に実施されています。
世界中と日本各地から集まった優秀な学生たちが、今日も知性の真剣勝負を繰り広げています。そして今後も国際ビジネスの第一線へ、あるいは世界平和に向けた問題解決の現場へと卒業生は活躍の場を更に広げていくでしょう。「世界をより良くしたい」と願う若者が全世界からAPUに集まり、その高い志と情熱を持って学んだ後に、APUから世界へ羽ばたくことを本学は確信しています。
立命館アジア太平洋大学(APU) http://www.apumate.net