グローバル化の波が押し寄せる現代。世界で活躍できる人材を育てるために、日本の中等教育のあり方も大きく変わろうとしています。日本が世界から取り残されないよう、次世代の教育に奮闘する各校の取り組みや独自のプログラムを、現場からシリーズでご紹介します。
桐朋女子中学校・高等学校は1941年(昭和16年)、山下汽船株式会社社長の山下亀三郎氏の寄付金を基にして創立され、戦後 (1947年)、桐朋学園として再出発した中高6年一貫の女子校です。女子部門(調布市)・音楽部門(調布市・富山市)・男子部門(国立市)の三部門から成り、それぞれの教育方針や目標に基づき特色のある教育活動を行っています。帰国子女受け入れには50年以上の歴史があり、多くの帰国生が世界で活躍しています。さまざまなバックグラウンドで育った帰国生が「特別」を意識せずそれまで培った個性と能力を最大限に発揮し、更に飛躍できる環境とサポート体制を整えています。
桐朋女子のグローバル教育とは
国際教育センター 熊野 孝 先生
日常生活の隅々までボーダレス化が進んだ現在、国籍や言語、文化・価値観が異なる人々が日々接し、同じ目的に向かって協働することはもはや当たり前のことになりました。
互いの違いを認めた上で粘り強く相互理解を図り、時には言語を駆使して相手を説得する真のコミュニケーション能力を身に付けることが必要です。30 ヵ国以上の国からの帰国生など多様な背景を持つ生徒たちが学ぶ本校は、グローバル時代に求められるスキルを育む多彩なプログラムを展開しています。
デュアルランゲージプログラム(DLP) が始まります
現代社会において必須のツールとなった英語で自分の気持ちや考えを効果的に発信するためには、世界で通用するロジックを身に付け、それにのっとった論理展開をする必要があります。日本語と英語を使いこなし、高い発信力を持つ生徒の育成を目指します。
(2014年度 中学入学生より実施)
デュアルランゲージプログラム(DLP)6年間の見通し
DLPの3つの柱
① 言語技術教育
言語によって思考し発信する力を養うことを目的に、欧米で行われている言語技術(Language Arts)を導入。日本人が苦手とする「情報伝達の技術」「討論・議論の技術」「情報分析・解釈の技術」の訓練を最初に母語である日本語で学び、思考・発信する力を習得。その後英語でも同じことができるように、両言語の技術をしっかり身に付けグローバル社会で活躍するために必要とされる力の基礎を確立する。
② DLP特別講座
「 国際バカロレア( I B )」の理念を踏まえ、知識や教養を総合的に活用し問題解決につなげる力を育成する。一部の教科では英語で教える講座を開設。英語を使って何かを学ぶ経験を通して、より実践的な英語力を育む。
③ 多様な課外講座
◎ 英会話教室:
毎週1回放課後に開催されるネイティブによる少人数の「英会話教室」。思う存分英語を話す機会を提供。
◎ 英会話シャワー:
長期休暇に実施される集中講座。英語プレゼンテーションのスキルを身に付け、ネイティブ講師や留学生との交流を通し異文化理解について学ぶ。
◎ 米国夏季研修:
クレムソン大学(2015年全米公立大学ランキング20位) が全米の学力優秀な中高生を対象に開催する夏季講座に参加し、アメリカ人中高生と寮生活を体験。同大学教授陣から指導を受ける。
SCHOOL DATA
住所:〒182-8510 東京都調布市若葉町1-41-1
TEL:03-3300-2111(代)
ホームページ:http://www.toho.ac.jp/
全校生徒数 | 1,567名 |
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一クラス生徒数 | 約35 ~ 40名 |
入学金 | 270,000円(中学) 230,000円(高校) |
年間授業料(税込) | 41,200円(月額) |
帰国枠入試 | 有 |
寮 | 無 |
帰国生特別クラス | 英語で実施 |
英語習熟度別クラス | 有 |
大学入試合格実績(2015年) | 東京大学、御茶の水女子大学、東京外国語大学、東京芸術大学、横浜国立大学、首都大学東京、早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、明治大学、青山学院大学、立教大学など |