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子どものインフルエンザについて

2013.11.25

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日本メディカルケアー 吉國 晋 医師
「子どものインフルエンザについて教えてください」

  子どもの気管支炎や肺炎は細菌やウイルスによって生じますが、肺炎を起こす細菌である肺炎球菌やインフルエンザ菌は抗生物質が効きにくい種類が増えているので、肺炎球菌ワクチン(プレベナー)やHibワクチンでの予防が大切です。今回はこれからの季節に流行しやすいインフルエンザについて解説します。

知っておこう インフルエンザの必要知識

 インフルエンザウイルスは大きくA型とB型に分かれます。A型ウイルスは、さらにH(ヘマグルチニン:15種類)とN(ノイラミニダーゼ:9種類)の組み合わせで分類され、地球上に全部で70種類以上ありますが、人から分離されたA型ウイルスはH1N1、H2N2、H3N2の3種類だけです。このうちH1N1(別名Aソ連型)とH3N2(別名A香港型)は毎年少しずつ変化して流行するため「季節性インフルエンザ」と呼ばれます。2009年に新しく出現し世界中で流行した新型インフルエンザは豚由来の新しいH1N1型のA型ウイルスです。それも今ではAソ連型に代わり季節性インフルエンザの1つになりました。ちなみに鳥インフルエンザは、H5N1、H7N9など別の種類のA型ウイルスで、ニワトリなどから直接人へ感染します。

【症状】

 くしゃみ、咳などでウイルスに感染した1-4日後に突然38℃以上の発熱、頭痛、筋肉・関節痛で発症し、続いて鼻水・咳などが起こります。

 発症後5~7日後まで他人へウイルスをうつす恐れがあります。

【合併症】

 高齢者に多い肺炎や、小児に多い意識障害やけいれんを生じる脳炎・脳症があります。このような合併症を生じた場合は入院加療が必要ですので、すぐに受診して下さい。

【流行】

 日本では12月~ 3月に流行し、南半球では冬の7 ~ 8月に流行しますが、シンガポールは赤道直下のため4月~7月と11月~1月の年2回流行します。

【診断】

 インフルエンザの診断は鼻咽頭ぬぐい液を採取して検査しますが、発熱後半日~ 1日経ってから調べた方が鼻汁からウイルスを検出しやすいです。タミフル(内服薬)やリレンザ(吸入薬)などの抗ウイルス薬は発症から48時間以内に使用すると発熱期間が1 ~ 2日間短くなるので、発症後2日以内に受診しましょう。ちなみにタミフルやリレンザはウイルスのノイラミニダーゼの働きを抑えて、ウイルスの増殖を防ぎます。

  熱が下がっても発症後5 ~ 7日間はウイルスを排出するため、その間は外出を控えましょう。日本の学校のインフルエンザの出席停止期間は「発症後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては3日)を経過するまで」です。10代以下の子どもがインフルエンザにかかると、急に走り出す、部屋から飛び出す、歩き回る等の異常行動を起こす危険があるので、少なくとも発症後2日間は常に見守ってください。

【予防接種】

 インフルエンザワクチンは、ウイルスに感染しても発病を減らす効果と肺炎などの重症化を防ぐ効果があり、効果は接種後2週間~約6ヵ月まで持続します。シンガポールでは65歳以上の高齢者、6か月~5歳未満の小児、妊婦、喘息などの肺や心臓の慢性病のある人などは、合併症を起こす危険が高いためワクチンを受けるよう勧めています。

  当院では、日本など北半球で流行するA型(H1N1、H3N2)とB型ウイルスを含むワクチンを10月~12月に接種しています。接種回数は、インフルエンザ未罹患で初めてワクチンを受ける生後6か月~9歳未満の小児は2回接種(4週間以上空ける)、それ以外の子どもは1回接種です。

インフルエンザの予防法

  • 流行前にワクチンを受けましょう
  • 咳エチケット(咳やくしゃみを他の人に向けて発しない、マスク着用、手で咳やくしゃみを受け止めた時はすぐに手を洗う)
  • 外出後には手洗いやうがいをしましょう
  • 流行中は人混みへの外出を控えましょう(特に高齢者、妊婦、乳幼児、基礎疾患のある人)
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