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子どものとびひ(膿痂疹)

2014.04.25

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日本メディカルケアー 吉國 晋 医師
子どものとびひ(膿痂疹)について教えてください

皮膚の細菌感染症・とびひ

 「とびひ」の正式名は膿痂疹(のうかしん・英語名impetigo)と言い、6歳以下の子どもに多い細菌による皮膚の感染症です。主に黄色ブドウ球菌や稀に溶血性連鎖球菌(溶連菌)が原因になります。接触によってうつり、火事の飛び火のように体中に広がるため「とびひ」と言われます。あせも・虫刺され・擦り傷などをひっかくうちに細菌感染を起し、黄色ブドウ球菌の表皮剥脱毒素により水疱ができます。また、鼻の中には細菌が常在しており、鼻をいじっているうちに鼻の周囲からとびひが始まり、いじった手で皮膚をひっかくととびひが広がります。日本では初夏から真夏に多く発症しますが、シンガポールは暑いため年中発症します。

                        鼻の周りの膿痂疹

                          腕にできた膿痂疹

とびひの症状は次のように進行します。
① 菌が感染した部位に水疱(みずぶくれ)ができる。
② 水疱が破けて、その下がびらん(じくじく)になる。
③ 周囲に水疱がとびひしたり、離れた体の部位にもとびひする
④ 痂皮(かさぶた)になり、はがれて治る。瘢痕は残さない。

とびひにかかったら…

1)外用療法
 シンガポールでは黄色ブドウ球菌に有効な抗生剤軟膏として、ムピロシンやフシジン酸が使われますが、日本ではムピロシンは鼻用の軟膏しかなく皮膚には使えないため、代わりにテトラサイクリン系などの抗生剤が使われます。日本でよく使われていたゲンタマイシンは、黄色ブドウ球菌にはほとんど効きません。

 小さな水疱は潰しませんが、大きな水疱は内容液が周囲に付かないよう針などで排出します。びらん面には抗生剤軟膏を厚めに塗ってガーゼで覆います。普通のガーゼを使うと乾いた滲出液がガーゼにくっついてしまい、はがす時に痛みや出血する危険があるため避けましょう。当院では、はがす時にくっつかず、滲出液を吸収する特殊なガーゼを処方しています。ガーゼは入浴時にはがし1日に1~ 2回取り
替えます。

 1日1回は入浴をして患部を洗いましょう。石けんをよく泡立てて、泡を手につけて擦らず患部を丁寧に洗い、その後シャワーでしっかりと洗い流します。患部に消毒薬を塗ると傷の治りを遅らせたり、かぶれを生じる可能性もあるため、一般に消毒薬は不要です。とびひの面積が小さければ外用療法だけで4~5日で治すことも可能です。

2)内服療法
 水疱やびらんの面積が広い場合(合計面積が患児の手のひら大以上)は、抗生剤軟膏に加えて抗生剤を内服した方がよいです。黄色ブドウ球菌に有効なセフェム系薬やβラクタマーゼ阻害剤配合ペニシリン系薬などを約1週間内服しますが、痂皮の下には菌が残っているため痂皮が完全になくなるまで抗生剤内服を続けた方がよいでしょう。
 痒みが強い場合は、かゆみ止めとして抗ヒスタミン薬の内服をさせて、かきむしりを抑えます。

お子さんの日常生活、ここに注意!

◎ とびひの面積が広くなく、患部が完全に覆われていれば登園は可能です。ただし、水に触れることで症状を悪化させたり、他人にうつす恐れがあるので、プールや外遊びはとびひが治るまでやめましょう。
◎ 汗をかいたらすぐシャワーで汗を流し、こまめに着替えをして、常に皮膚を清潔に保ちましょう。虫刺されや外傷、あせもが出来たら、放置せずに外用薬で早く治しましょう。
◎ アトピー性皮膚炎の人はとびひにかかりやすいので、乾燥肌には保湿剤をこまめに塗り皮膚のバリア機能を保ちましょう。
◎ 子どもの鼻の中、手の爪の中には細菌がいるので、鼻をよくかみ、手洗いをし、爪を短く切りましょう。

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