シンガポール発海外教育情報誌サイト

シンガポールで教育 Singapore

歯科コラム

シンガポールで気をつけたい「歯の外傷」

2015.04.25

LINEで送る
Pocket

日本デンタルセンター  秋山 逸馬 先生
お子さまとご家族のための歯科コラム

小さな転倒が歯の外傷に

シンガポールでの新しい生活に慣れてきた頃にこそ、ご家族で気をつけたい歯科疾患があります。それが「歯の外傷」です。当地でよく見かける大理石のフローリング、プールサイドやプレイグランドの硬い素材などでは、少し転倒しただけでも「歯の外傷」が発生しやすい状況にあります。

1~3歳、7~9歳は要注意

「歯の外傷」が起こりやすい年齢は、乳歯の場合は 1 ~ 3 歳ぐらい、永久歯は 7 ~ 9 歳ぐらいといわれています。前者は、歩き始めたば かりの不安定な「ヨチヨチ歩き」で転びやすく、後者は活発に運動するような時期になるため、殊に男子は不意な外傷だけでなく「スポーツ外傷」が多くなる傾向にあります。打つ部位としては前歯が多く、特に上の前歯に発生しやすいのが特徴です。更に「指しゃぶり」 や「おしゃぶり」で前歯が突出しているお子さまは、ぶつけやすい傾向があります。

いろいろな破損と脱臼

外傷には大きく分けて「破折」と「脱臼」があります。乳歯の外傷では、周りの骨が柔らかいために歯がグラグラになったり、めり込んだり、あるいはズレたりする「脱臼」が多くなります。また、永久歯でも生えたての永久歯は根がそれほど長くなっていないため、同様に「脱臼」が多く見られます。一方、乳歯でも根がしっかりできる 4 ~ 5 歳では、「破折」が起こりやすい傾向があります。

大切な経過観察

乳歯が外傷を受けると、乳歯のすぐ上に育っている永久歯にも陥入などの影響が出るので注意が必要です。乳歯根が陥入すると「永久歯胚」という歯の芽のところで炎症が起こり、永久歯が白っぽくなったり茶色っぽくなったりと、形成が悪くなり歯の「質」に問題 が出ます。他にも、外力が加わることで「永久歯胚」が押され、生える方向がズレてしまうこともあります。永久歯が生える時期が遅かったり、歯の方向がずれたりすることがありますので、乳歯だけではなく永久歯が生えかわるまで経過を見ていく必要があります。

覚えておきたい応急処置

外傷が起こった場合、落ち着いて可及的に早く対処することが必要です。軽度の場合「歯科に連れていくべきか?」と迷う気持ちもあると思いますが、位置が変わらなくても「ヒビや破折」の有無や、 歯のズレがある場合に周りの骨自体を検査する必要があるので、必ず受診しましょう。また、先端が少し欠けた位では緊急性はありませんが、大きく欠けた場合は、歯の保存のために適切な神経の処置を行うことが重要ですので、早目に受診することをおすすめします。 永久歯の脱臼については、抜け落ちてもその歯を持っていけば植え直す「再植」という対応ができます。乳歯でも条件が良ければ再植が可能なケースがありますので、歯根を触らず乾燥しないように、 牛乳や専用の保存液に入れて歯科医院に持って行きましょう。保存液がない場合は、お口の中の唾液に近い状態の液に浸したまま持って行けば、再植の結果が良好になります。
※保存液は専門機関からの取り寄せが必要です。

LINEで送る
Pocket

PAGE TOP