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狂犬病(Rabies) について教えてください

2015.09.25

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日本メディカルケアー 吉國 晋 医師
狂犬病(Rabies) について教えてください

狂犬病は日本、シンガポール、マレーシア、香港、オーストラリア、ニュージーランドなどの一部の国々を除き世界中で発生しています。アジア地域でもインド、パキスタン、バングラディシュ、ミャンマー、中国、フィリピンでは、毎年100名以上が狂犬病で死亡しています。

2006年に日本で2例の狂犬病患者が報告されましたが、2名ともフィリピンでイヌに咬まれたことが原因で、現地でも咬まれた後に狂犬病ワクチンは受けていませんでした。

狂犬病はウイルス性疾患で狂犬病に感染した動物に咬まれた際に、唾液中の狂犬病ウイルスが傷口から体内に侵入することにより感染します。狂犬病ウイルスはイヌやネコ、コウモリなどの哺乳類に感染することが知られており、人も動物も狂犬病を発症すると、ほぼ100%死亡します。

狂犬病は感染から発症までの期間(潜伏期間)が1~3ヵ月と長く、感染後1年以上経って発症した例もあります。症状として頭痛、発熱、咬まれた部位の熱感、掻痒感から始まり脳炎症状を呈します。潜伏期間中にウイルス感染の有無を診断することは出来ません。

「暴露前・暴露後予防」とはどのような予防法ですか。

インドや東南アジアの狂犬病流行国では、むやみに動物に近づかないようにしましょう。もし狂犬病が疑われるイヌやネコ、野生動物に咬まれた場合は、まず傷口を石鹸と水でよく洗い流してから、できるだけ早期に医療機関を受診してください。

狂犬病の流行地域で動物との接触が避けられない人や、狂犬病ワクチンを接種できる医療機関が近くにない地域に長期間滞在する人には、狂犬病ワクチンの接種(暴露前予防)をおすすめします。暴露前予防接種は日本も海外も3回行いますが、日本の接種間隔は初回、4週間後、6~12ヵ月後ですが、海外では初回、7日後、21日か28日後が一般的です。

狂犬病ワクチンは不活化ワクチンで世界では製法の異なる8種類以上のワクチンが使われています。日本の狂犬病ワクチンは国産の精製ニワトリ胚細胞ワクチンですが、当院では日本と同じ製法のワクチン (欧米産)を接種しています。

暴露前予防を受けた人でも、イヌなどに咬まれて狂犬病に感染した可能性がある場合には、発病予防(暴露後予防)として2回(当日と3日目)狂犬病ワクチンを接種します。

暴露前予防を受けてない人は、暴露後発病予防として、海外では5回(当日、3日目、7日目、14日目、28日目)、日本では6回(当日、3日目、7日目、14日目、30日目、90日目)狂犬病ワクチンを接種します。さらにたくさん咬まれたり、深い傷を負った場合には、抗狂犬病免疫グロブリンも注射する必要があります。すでに暴露前予防を受けた人は抗狂犬病免疫グロブリンの注射は不要です。

WHO狂犬病暴露後発病予防ガイドライン

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