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21世紀のICT教育

21世紀のICT教育 第3回

2014.01.10

  • ICT教育
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シリーズ記事「21世紀のICT教育」では過去2回にわたりシンガポールでの取り組みをご紹介しました。世界的な流れであるICT化に、日本はどのように対応しているのでしょうか。今号では Hitachi Asia Ltd.の協力のもと、 日本における情報通信技術(ICT)の動向を北海道大学、同志社大学、小・中・高校のデジタル教科書の開発を例にご紹介します。

北海道大学 ~アカデミッククラウド~

 

国内最大級のアカデミッククラウド

北海道大学(以下、北大)の情報基盤センターでは、キャンパスネットワークや教育用の情報システムの強化をはかるだけでなく、日本全国の研究者に対してスーパーコンピューターに匹敵する演算能力をもつコンピューティングサービスを展開しています。

同アカデミッククラウドは約4,000台の仮想マシンを同時に稼働させられる能力をそなえ、学内外に散らばったWebサーバーや研究用サーバーを集約しています。国内最大級のアカデミッククラウドとして、現在では全体の約50%が北大以外の国公私立大学や研究機関に利用されています。

北海道大学大学院薬学研究院創薬科学研究教育センターでは、日本初の創薬を目指し、企業とも連携しながら研究開発を進めています。 日本における学術研究の質的向上に大きく寄与することが今後もますます期待されるでしょう。

2011年、学内の主要なサーバーを刷新し、プライベートクラウド環境「北海道大学アカデミッククラウド」を日立製作所と共同で構築。

【教育現場からの声】

北海道大学大学院薬学研究院 教授創薬科学研究教育センター長 前仲勝実先生

「バイオ系や創薬における分野は非常に競争が激しく、新しい発見に関する特許取得のためには時間との勝負になります。一方で研究データが絶対に外部に流出しないようなセキュリティ対策も求められます。北大アカデミッククラウドは、時間とセキュリティの課題を大幅に改善してくれました。」

北海道大学創薬科学研究教育センター特任准教授 齊藤貴士先生

「創薬科学研究教育センターでは、現在薬剤の候補となる化合物を 絞り込む研究を行っています。研究対象となる20万化合物を実験室で 試験するのはマンパワー的にもコスト的にも大変ですが、研究室にあ る普通のパソコンでは一つの対象につき解析に1~2 ヶ月近くかかっ てしまいます。ところが、このクラウドシステムを使うと、2週間程度 で済ますことができ、大幅に効率化できます。」

同志社大学 ~ICカード~

 

ICカードシステム導入のメリット:セキュリティと利便性の向上

32,000人にのぼる学生や教職員の確実な本人認証を簡単に行えるようになりました。学内施設への入退室管理、教員による成績評価、情報教室・PCコーナーでの活用、大学生協、売店などで使える電子マネー機能など、 キャンパス内で想定される幅広いシーンでの活用を可能にしました。

将来的には学生の出欠管理や教職員の勤怠管理、電子決済などにも利用し、さまざまな業務効率の向上に向けた施策に生かされる予定です。最先端のICカードシステムを一人ひとりがセキュリティーを守るためのツールとして使いこなすことで、安全やモラルに対する意識が、より向上していくことが期待されています。

日本人で初めて米国の大学を卒業した新島襄氏により創立。京都にキャンパスを構え、「志」を持ち「自由」と「良心」に立つ人間を養成することを理念とする。建学の精神の一つ「国際主義」のもと、約29,000人の学生が学んでいる。

CoNETS ~デジタル教科書コンソーシアムが発足~

2013年9月に、大手教科書会社と日立を含む計13社が参画し、デジタル教科書の開発を行うコンソーシアム「CoNETS(コネッツ)」を発足しました。

デジタル教科書は、2011年度から始まった文部科学省の「学びのイノベーション事業」で実証研究が行われてきました。「CoNETS」は13社が連携することで、各社でばらばらだった操作方法が統一されるなど、使い勝手がよくなり普及を促進する狙いがあります。

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