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21世紀のICT教育

21世紀のICT教育 第4回

2014.04.25

  • ICT教育
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シンガポールアメリカンスクールの教育  ~テクノロジー(IT)はどのように用いられているか~
シンガポールアメリカンスクール(以下SAS)では、21世紀で必要とされるスキルを生徒たちが継続して学べるように、学習意欲を高めるテクノロジーを無理なく効率的に取り入れています。

SASはApple とGoogleと提携し、最先端のテクノロジーを学校生活のあらゆる場面に組み入れています。

エレメンタリースクール(Kindergarten《5歳》~G5):1人1台 iPad
ミドルスクール(G6~G8):1人1台 MacBook Air
ハイスクール(G9~G12):自分の好きな情報端末を使用

全教室にApple TV が設置されており、生徒たちは宿題、授業内容、プロジェクトやインターネットサイトなどを、あらゆる情報端末からプロジェクターにワイヤレスで映し出すことができます。SASは年に一度Googleサミットを主催するとともに、Appleリーダーシップツアーの訪問校となっています。

教育分野のテクノロジーの専門家が生徒や各教科の教員も指導し、デジタル機器を使用する際の責任についての研修や保護者向けセミナーを開催しています。また、教える側と学ぶ側の双方の立場で、カウンセラーとの連携やデジタルメディアについての提案をし、テクノロジーのクリエイティブな展開をリードしています。

■ エレメンタリースクール:一人ひとりに合った学習

SASのエレメンタリースクールでは、教養を備え社会性や情操面を豊かに育むことで、心身共に健やかに成長し幸多い将来に導くよう、さまざまな学習の場を提供しています。学ぶ楽しさを大切にしたバランスの良い教育プログラムを提供するとともに、教育目標に合った形で生徒が自然にテクノロジーに親しむよう導きます。

キンダーガーテン(日本の年長相当)から2年生までは、教室内に一人一台iPadが備えられ、3年生からは生徒自身が所有することができます。5年生になるとミドルスクールの準備のため、MacBookを各々使用しながら学びを更に深めていきます。全生徒は情報端末の自己管理と注意事項についても教わり、デジタル機器を使用する責任を明確に理解するようになります。

iPadには、学習の基盤となる主要なアプリケーションがインストールされています。教師や専任講師の的確な指導により生徒はiPadを用いてそれぞれの学習への興味と意欲を高め、学習が進むにつれ使用しているiPadを「自分仕様」にしていきます。生徒が自ら目標を定め、その到達度を知る上でもテクノロジーは有効です。体育での心拍数の計測や算数の根本的な理解、語彙力の強化や、美術で新しい手法を試す場合など、さまざまな場面でテクノロジーが活躍しています。

生徒たちはSASのブログ上でこれまでの成績や作品をまとめ、自分自身の軌跡として個人ファイルを作成しています。

■ ミドルスクール:協働学習、革新、実社会を理解するための学び

新学期、ミドルスクールの生徒は研修に参加してGoogle アカウントを取得します。同時に、テクノロジーの力をどのように活かして学習目標を達成するかの集中講義を受けます。Google アカウントは教師と生徒、そして生徒同士がコミュニケーションを取る際にあらゆる手段となる学習プラットフォームです。素早いフィードバックを可能にし、ブログを通じて世界に発信するなど、さまざまな交流を実現し
てくれます。教師はテクノロジーを利用して生徒のリサーチ力を高め、効果的に自学自習や協働学習を促していきます。

学校が重んじるのは「バランス感覚」です。テクノロジーの利用で学習意欲が高まるだけでなく、アート、演劇、音楽、スポーツの分野でもその意欲が発揮されることを重要視しています。

SASの図書館は新たな方針により、生徒や教師・スタッフの皆が集い易い、憩いの場となりました。その一画にはテクノロジーサポートセンターと専任講師のオフィス、バーチャル音楽スタジオ(デジタル楽器や最先端の録音設備)、スタジオ(高品位ビデオ・デジタルカメラ・プルダウン式背景用グリーンスクリーン・専用ライト常設)が完備されています。

協働・個別学習のスペースと新しいデジタルスタジオがあるミドルスクールの図書館

協働・個別学習のスペースと新しいデジタルスタジオがあるミドルスクールの図書館

■ ハイスクール:学習を極める

ハイスクールでは、教師陣はテクノロジーをテコにして、生徒たちを更に高い目標へ導きます。AP(Advanced Placement: 成績優秀者が受講できる大学レベルの授業)向けのコンピューターサイエンス、エンジニアリングサイエンス、ロボティクスなどをより高度に学ぶことが可能です。携帯電話用アプリケーション開発、グラフィックデザイン、ゲームデザインといった専門的で最先端の授業を選択することもできます。

ロボティクスクラブは、今年台北、ホノルル、香港で競技会に参加する予定です。飛行ロボットと水中ロボットの両方を製作しプログラミングしただけでなく、新しい地雷探知ロボットのテストも行いました。

ロボティクスクラブは奉仕活動の一環としてカンボジアで小学生と共にロボット製作に取り組みました。そしてその小学生たちのシンガポール競技会参加を実現させたのです。

ロボティクス実験室で長時間没頭するハイスクールの生徒

ロボティクス実験室で長時間没頭するハイスクールの生徒

Spring 編集部より

最先端のITテクノロジーをツールとして使いこなしながら、協働学習や創造性、発信力をさらに強化させている生徒たちの姿は、まさに21世紀の学習を体現していました。時代が変われば学び方も変わるのだなと実感すると同時に、「教育の中心は人で昔と変わらない」という先生方の言葉が強く心に残りました。

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