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早稲渋への道

vol.1 合格編

 早稲田大学への内部推薦者数や、一般国立大学への入試でも高い実績を誇る早稲田渋谷シンガポール校(通称 早稲渋)。 その人気は年々高まるばかりです。シンガポールという枠を超え、アジア全体から生徒を受け入れる体制が整っている ので、ここ数年、入試が特に激戦化しています。
 早稲渋合格のためにはどのような勉強をすれば良いのかを専門家に聞きました。

早稲田アカデミーシンガポール オーチャード校 校長 桑田 穣 さん

 早稲田渋谷シンガポール校は、近年人気の高まりとともに難 易度が上昇しつつあります。第1 回入試は12 月であるため、一 般的な受験対策のカリキュラムより3 ヶ月ほど前倒しでの準備 が必要となるので注意が必要です。

 問題形式についてですが、日本の一般的な私立高校入試に比 べて、幅広い学力の生徒が受験することが想定されています。 そのため「確実に取って欲しい基礎問題」と「上級者でもペンが 止まる応用問題」がはっきり分かれています。学力的に厳しい 生徒はまず、基礎問題( 数学の小問集合、国語の漢字・知識) な ど確実に点数を積み上げられる分野の勉強を急ぎましょう。

【国語】

 国語は例年、評論、小説、古典、漢字、知識分野の五題構成 になっており、漢字と知識分野の配点が合計30 点と高めになっ ていることが特徴です。文章自体は長くはありませんが、精読 を必要とするため、評論の読解が受験生のポイントになってい ます。

 古典では「現代仮名づかいに直す」問題を確実に得点するこ とが攻略のカギです。

【数学】

 はじめの大問1に出てくる小問集合できちんと得点できるか がとても大切ですが、中には難問も入っています。大問2以降 については必ずしも難易度順とは限りません。見慣れない問題 であわてないこと。なお後半出てくる関数・図形の大問は(1)・ (2)・(3) と誘導する形式が多いです。数学が苦手な人も(1) と(2) は必ず目を通して、挑戦するとよいでしょう。

【英語】

 文法語法問題は、2012 年度入試ではまとまった文章の中に空 欄が6 つあり、適する語句を選択するという形式になりました。 特に「品詞」を意識して問題に取り組みましょう。

 読解問題は毎年2つの文章が出題され、小説文の読解では、 「いつ」「どこで」「誰が」どうしたのかを意識して読み、説明文 の読解では、指示語と接続語に意識して読み進めていくことが 必要です。リスニングの苦手な人は英検問題集(準2級・2級) や高校入試リスニング問題集等で練習しましょう。

 最後に、実力どおりの結果を本番でも出せるようにするため、 過去問演習も繰り返し行いましょう。夏以降には多くの過去問 に挑戦し、時間の感覚や問題の配置なども身体に覚えこませる までやりこむこと。早めの準備が肝心です。

駿台シンガポール校 校舎長 石原 照夫さん

 早稲渋の入試問題はここ数年で難化しているといえます。そ こでまず、各科目の最近の傾向を確認していきたいと思います。

【英語】

 配点が20 点あるリスニングは、日本のどの難関校のリスニ ングよりも難しく、3 年生になってからシンガポールに来た生 徒には歯が立ちません。また、注意しなければならないのは時 間です。試験時間は50分ですが、リスニングを除いた40 分で長文読解2 題、アクセント、文法問題などを解ききらなければなりません。

【数学】

 図形問題中心の典型的な高校受験の問題です。最近までは基本的な問題が出題されていましたが、昨年難化しました。基本問題だけでなく、ある程度難しい問題も時間内に解けるように 公式を身につけて使いこなす訓練が必要です。

【国語】

 文章題(2題で計50点)、古文(20点)、漢字(10点)、知識問 題(20点)という配点です。知識問題では、例年文学史・故事 成語に加え、他の高校ではめったに出されない珍しい問題が出 題されることが多いため、受験生が直前に必死になって文学史 を勉強していました。しかし、昨年は非常に基本的な問題でした。 文学史・故事成語のマニアックな知識よりも文法・慣用句・こ とわざ・四字熟語などのオーソドックスな知識をきちんと勉強 しておく方が全体の配点を考えると建設的であると思われます。

 では早稲渋に合格するためにはどのように勉強すればいいの でしょうか。「とにかく3 科目の合計点で合格ラインを超えれば いいのだから、得意科目の勉強に集中する」という考え方は危 険です。事実、昨年度の数学は例年よりも難しかったので、「他 教科と比べれば」数学が得意だという生徒は苦戦しました。ま た、1 つの科目の中で特定の分野だけに絞って勉強するのもお 勧めできません。勉強しにくい分野(英語の長文など)ほど配 点が高いからです。

 駿台としては、夏までは英語は文法と熟語、国語は文章題・ 古典・文法・漢字、数学は単元学習などを中心に基礎をしっか り固めていきます。「基礎」といっても早稲渋合格に必要な水準 なので易しくはありません。その上で、英語は配点の高い長文 演習、数学は頻出の図形問題等を「駿台海外校 数学公式集」 を用いて解く練習を徹底的に行っていきます。国語はラストス パートの段階では漢字・知識問題・古典語句などを集中的に覚 え、小テストで定着を確認していきます。

※本文は2012年4月25日現在の情報です。

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