海外生・帰国生へのヒント
聖学院中学校1年 髙木 蓮さん「何事も勇気を出して自らチャレンジ」

シンガポール生活を最大限に活かす

小学4年生の4月からシンガポールでの生活が始まりました。英語は話せませんでしたが、この機会を最大限活かそうと、インター校への入学を決めました。来星前には短期プログラムのフォニックスの教室に通い、来星後は英語の塾や家庭教師で英語の習得に励みました。コミュニケーションが取れるか、学校の授業についていけるか、宿題はこなせるかと不安なこともありましたが、日本人の友人に助けてもらうなど、何とか少しずつ学校に慣れていきました。また、クラスメイトの誕生日会や、プレイデイトなどにも積極的に参加して、いろいろな国のクラスメイトとも仲良くなれるように努力しました。通っていた学校の、小規模でアットホームな雰囲気がとても気に入っていましたし、日本人がいたことはとても心強かったです。

英語のアニメや映画を観るようにしたり、買い物に出た時には店員さんと積極的にコミュニケーションを取ることなどを心掛けて、英語に親しむようにしました。約1年後にはコミュニケーションに不自由を感じなくなりましたが、ESL(英語の補習クラス)を卒業したのは来星して1年9ヵ月が経ったころでした。

インター校での貴重な体験

インター校の卒業式で友人と インター校の卒業式で友人と

インター校の授業は、グループワークやディスカッションが多くありました。そのような授業を通して、自分の意見をしっかり持ち発言することが苦ではなくなったことは、とても良かったと思っています。また、さまざまな国の友だちができ、文化の違いや価値観の違いなどを学べたことは、今後の財産だと感じています。

忘れられない思い出はたくさんあります。例えば、小学校最後のエキシビション(学習発表会)でテーマ選びから発表まで、先生や友だちにアドバイスをもらいながら自分でやりきったことです。また、学校のキャンプでビンタン島に行き、現地の小学校で図書館の棚を修繕して本を寄付したり、英語を教えたりしたことも大変良い思い出になっています。

 インター校は休暇が多く、2ヵ月近くもある休みでも宿題が出なくて驚きました。お休みはしっかり休養し、思い切り満喫する風潮は、日本と異なる良い点だったと思います。年に何度かある長い休暇を利用して、友人や家族で近隣諸国へ旅行をしたり、日本へ一時帰国して地元の小学校に体験入学をすることもできました。

中学受験そして帰国

聖学院中学校で英語クラスの仲間と 聖学院中学校で英語クラスの仲間と

帰国後日本の勉強についていけるようにと、国語と算数は塾で勉強していました。中学受験をすることを6年生の9月に決めたので、そこから受験クラスへ移動して本格的に勉強を始めました。インター校との両立はとても大変でしたが、自分自身で受験すると決めたので、最後までやり抜くことが出来ました。

受験のため一時帰国をした際は、シンガポールとの季節が逆で真冬だったので、風邪をひかないように自分でも体調管理を心がけました。聖学院中学校に決めたのは英語に力を入れており、レベル別にクラスが分かれている点が魅力的だったからです。帰国子女が多いことも安心できました。

日本に帰国することが決まると楽しみな反面、シンガポールの学校や友だちと離れることをとても寂しく感じました。また、英語力を保持できるかも不安になりました。

帰国後は、授業や教室の雰囲気の違いに戸惑うこともありました。例えば、インター校では自由な雰囲気で席もあまり決まっておらず、床に座ったりしていましたが、日本では一変しました。シンガポールにいる間、理科と社会は全く学習していませんでしたので、当然知っているような事柄についても知らないことが多々ありました。日本の教科書をもっと読んでおけば良かったと思っています。

現在、英語については学校以外に帰国子女向けの英語保持教室に通い、維持向上に努めています。サッカー部に所属しているので、放課後は、ほぼ毎日部活に参加しています。 

将来は是非英語を活かし、日本と海外をつなぐ橋渡しができるような仕事に就きたいと考えています。

シンガポールの皆さんへ

英語が話せないのにインター校へ編入することは不安もあり苦労もありました。しかし思い切ってチャレンジしてみると、周りの方々が助けてくださったこともあり、とても楽しく素晴らしいシンガポール生活を送ることができました。

シンガポールはさまざまな人種がいて、多様な文化を体験できる貴重な国だと思います。言葉の壁などで不安なこともあるかもしれませんが、勇気を出してたくさんのことに挑戦してみてください。

※聖学院中学校・高等学校に関する情報はこちら
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『海外生の今』バックナンバー
https://spring-js.com/global/global02/kaigaisei/

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